google.com, pub-1751028613932834, DIRECT, f08c47fec0942fa0 —— 実録映画『仁義なき戦い』名言・名セリフ 「広島極道はイモかもしれんが旅の風下にたったこたぁいっぺんもないんでぇ。」: 20世紀末くらいまで、『仁義なき戦い』という映画の影響力は、広島の街のイメージを覆いつくすほど大きなものがあったような気がします。

20世紀末くらいまで、『仁義なき戦い』という映画の影響力は、広島の街のイメージを覆いつくすほど大きなものがあったような気がします。

 この街に住み始めた頃、知人に「大丈夫か?」とよく訊かれました。

私もしばらくの間は、生活の中で根拠もない緊張感が抜けませんでした。
また、東京在住の頃、電車の中で広島弁で話をしていると、自然と周りの人たちがスペースを空けるということもありました。
20世紀末くらいまで、『仁義なき戦い』という映画の影響力は、広島の街のイメージを覆いつくすほど大きなものがあったような気がします。
しかし、実際に住んでみると、全然そんなことはなく、とても美しく”深味のある”魅力溢れる街なのですが、それでも魚の小骨のように心の奥にずっと引っかかっていたものがありました。
この本は、それを(完全にではないですが)抜き取ってくれるような本です。


【寝ごと雑談】

①古今東西、暴力を無法に振るう人間は絶えないでしょう。
でも、他人を殺めるというとこまで行くというのは、どういうことなのか。
そして、なぜ広島がその象徴的な”暴力の街”となっていたのか。
”平和の街”であるはずなのに。。。
それが、抜けない小骨でした。

②ドストエフスキーやチャップリンの、「人を一人殺せば犯罪だが、戦場で数千人殺せば英雄になる」旨の有名なセリフ。
著者が(映画の)主人公に聞きたかったのは、”犯罪”の話ではなく”戦争”の話で、”忠君愛国”と教育され、敵と命のやり取りをしてきた世代の人々にとっては、真面目な人ほど戦後もそれは特別ではなくやってしまう可能性がある。
でも、それはある意味、そんな環境に置かれたら、誰しもが犯してしまうことなのかもしれません。

③映画は、広島への原爆投下のシーンで始まります。
今までシリーズを何度か見たのに、そこに、直接 ”戦争”(ある意味、その後遺症)というものを感じ取ることができなかった自分は、一体何を見ていたのだろうと思います。
(戦後世代にとっては、”戦争”は歴史であり、”暴力”は現在進行形なので、直感としてそこを結びつけるのが難しいのかもしれません。)

広島(呉も含めて)は、”軍都”であり、”被爆地・戦災地”であり、”暴力の街”であり、”平和の街”であるというのは、是非ではなくこの街の”流れ”でだった。
でも、それは広島に限らず日本全体がその”流れ”の中にあって、それが際立ったのが広島だった、ということでしょうか。
そして、その先に、”深味を帯びた”今の広島の街がある、のかもしれません。