「仁義なき戦い」シリーズは、昭和48年に1作目が公開されてから今年で50年が経ちます。このシリーズは、東映が従来の任侠路線から実録映画に舵を切った作品であり、広島の抗争事件を描いたことで注目を浴びました。特に小林旭が主演し、サングラスをかけた姿が異彩を放っていました。
小林旭は、「サングラスをかけたのは、深作欣二監督の提案だった」と語っています。深作監督は、「旭さんは目が優しすぎるから、色眼鏡をかけた方がいい」と提案し、小林旭もそれに賛同しました。彼自身は色眼鏡をあまり好きではなかったが、映画では表情でキャラクターを表現することを心がけました。
小林旭が演じたのは広島のヤクザ・武田明という役で、モデルとなったのは服部武氏です。小林は撮影に入る前に服部氏と直接会い、彼の本質や鋭さ、動き方などを感じ取ろうとしました。初めて会った時、服部氏はキャバレーの中でスポットライトに照らされ、周りを若衆が囲んでいた光景が印象的でした。
小林は服部氏からの話を通じて、広島のやくざをまとめようとした彼の貫禄や気概を感じ取りました。彼の鋭さや先を見通した動き方などは、作品でも表現されたのではないかと述べています。
さらに、小林旭はこの連載で、東映の「仁義なき戦い」シリーズに出演するまでの経緯や、共演した高倉健との思い出についても語っています。
「仁義なき戦い」シリーズは、東映の実録映画として広島の抗争事件を描いた作品であり、小林旭のサングラス姿が特徴的でした。サングラスは深作欣二監督の提案であり、小林旭は役作りのために服部武氏との出会いから多くを学びました。彼の存在感や役柄の表現は、そのままスクリーン上で観客に伝わりました。今回の連載では、小林旭がその制作秘話や貴重なエピソードを語っており、ファンにとっては必見の内容です。
*2023年7月10日発売の月刊「文藝春秋」8月号と「 文藝春秋 電子版 」